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帯状疱疹のワクチンは生ワクチンと遺伝子組み換えワクチンのどちらがいいの?

医学のまめ知識 2025.06.15

帯状疱疹は幼少時に感染した水痘のウイルスが、そのまま感覚神経細胞の中で生き残り、癌や加齢など、その人の免疫系が弱まった時に再増殖して、皮膚の痛みや水疱を伴う皮疹として発症したものです。80歳までに人口の1/3に及ぶ人が発症します。さらに、帯状疱疹後神経痛と呼ぶ皮疹が治った後も長い間強い神経痛に苦しむ人が多いことも問題となっています。これらの問題に対応する国策として帯状疱疹ワクチンの接種が推奨され、近頃市から助成金配布のお知らせが届いています。
診療中に、「ところで先生、市から帯状疱疹のワクチン接種費助成のお知らせが届いたが、その中に生ワクチンと遺伝子組み換えワクチンの2種類があるが、打つのはどちらが良いかね。」と、よく質問されます。
生ワクチンは弱毒化した水痘ウイルスそのものです。それを1回接種して、再度感染させて、免疫を復活させる作戦です。一方、遺伝子組み換えワクチンは間隔をおいて2回打つことで、体に強い免疫を持たせる作戦です。大事な質問なので、私も調べてみました。
それぞれの予防効果は、厚生労働省が公表しています。それによると、生ワクチンの予防効果は5年後で17%に低下していました。一方、遺伝子組み換えワクチンの予防効果は10年後でも73.2%ありました。これらの成績を見ると、費用が倍になりますが、遺伝子組み換えワクチンの方が良いようです。ご興味のある方は厚労省の以下のサイトもご覧ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001165467.pdf