日本ではインフルエンザワクチンは13歳未満のこどもには皮下に2回接種することになっています。しかし、新しく開始される経鼻噴霧式ワクチンの場合は13歳未満であっても1回で良いことになっています。これはなぜでしょうか?
それは投与されるワクチンの中にあるウイルス抗原の種類が異なるためです。
経鼻噴霧式ワクチンでは、本番のインフルエンザウイルス感染時と同じように、鼻粘膜を通して生きているウイルスが体内に入ります。このウイルスは発病しないように工夫がされていますが、生きているため、体内に入ってからも体に十分な免疫力ができるまで再生を繰り返すため、1回の噴霧で良いのです。
一方、従来型の注射するワクチンには不活化されたウイルスが入っています。これは体内に入っても再生しない、つまり、死んだウイルスであるため、体には生きたウイルスが侵入してきた時ほど強い免疫力は誘導されません。このため、4週間後に再度注射して、体には、またウイルスが入ってくることを知らせてやる必要があるのです。
13歳以上の子供ではこれまでに何度かインフルエンザウイルスに罹患した経験があるとみなして、大人と同じように1回で良いのです。